TLS1.0, TLS1.1 の廃止する提案仕様

TLS1.3にRFC8446が採番されRFCとして出るのを待つばかりになっている。

一方で、「Deprecating TLSv1.0 and TLSv1.1」というTLS1.0とTLS1.1の廃止についての提案仕様がIETFで出ている。

TLS1.0, TLS1.1 廃止事情

カード情報セキュリティの国際統一基準 PCI DSS では2018年6月30日以降はTLS1.1を禁止している他、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)もTLS1.2の移行を以前から推奨している。

実サービスにおいては、GithubAmazon ELBCloudFlareなどTLS1.0, TLS1.2の廃止を進めているサービスも多い。

また、IPAの出している「SSL/TLS暗号設定ガイドライン」でも、高セキュリティ型要件ではTLS1.2だけのサポートと書かれている。また「「SSL/TLS暗号設定ガイドライン改訂及び鍵管理ガイドライン作成のための調査・検討」報告書」でも各国・各標準化組織・各ベンダーの推奨事項への調査が報告されており、興味深い。

Deprecating TLSv1.0 and TLSv1.1

セキュリティ上の問題や、上記のような情勢を考慮してIETFでもTLS1.0とTLS1.1を廃止(historic)にしようというのが、「Deprecating TLSv1.0 and TLSv1.1」での提案です。

この提案では、古いバージョンのRFCをhistoricするとともに、TLSの利用に関する推奨事項を書いたRFC7525「Recommendations for Secure Use of TLS」でも、TLS1.0, TLS1.1の利用を禁止するように更新するものです。(現状では禁止はされていない)

ML上では活発に議論はされていないようですが、来月開催されるIETF102では何か動きがあるかもしれません。