W3Cに新しく、Webでのマルチキャストの利用を検討する「Multicast Community Group」が立ち上がるので、そのCharterに目を通しておく。
ここまでの関連する動き
まずは、ココまでの動きを簡単に紹介する。
以前、紹介したように、インターネットのトラフィックは日に日に増えている。
その対策として、ブラウザでIPマルチキャストを受け取れるようにし、効率的なデータ配信をするという動きがある。
JavaScriptのAPIとしては、blink-devでも議論されている通り「Multicast Receive API」がある。
github.com
プロトコルとしてはIETFで、インターネット上でマルチキャストを配信するための仕組みが検討されている。
- DORMS (Discovery Of Restconf Metadata for Source-specific multicast)
- AMBI (Asymmetric Manifest Based Integrity)
- CBACC (Circuit Breaker Assisted Congestion Control)
最新の情報は、今年4月に発表されたスライド「Multicast for the Web(pdf)」を御覧ください。
Multicast Community Group
Multicast Community Groupは、IPマルチキャストを用いてWebの通信のスケーラブルな効率化を目指す。
ユースケースについて議論し、IPマルチキャスト通信におけるAPIを定義する。パラメータの交換やアプリケーションレイヤのネゴシエーションなどを可能にする。(ネットワーク、プロトコルレイヤはIETFで標準化)
Phase 1
「Multicast Receive API」を出発点にし、WebTransportをマルチキャスト受信可能に拡張する。
おわりに
CharterのDraftは「Start Date: 2021-06-22」となっているので、本格的にはその日から動き出すのかなと思いつつ
個人的には結構面白そうなので、引き続き動向をウォッチしておきチア。