署名なしサーバ証明書形式を可能にする提案

GoogleのDavid Benjamin氏より、『Unsigned X.509 Certificates』という提案がIETFに提出されています。これは自己署名のサーバ証明書などを使っていたユースケースにおいて、単純に署名しないですむようにする提案です。

目的

CAから署名を受ける必要がないユースケースにおいても、X.509のフォーマット上署名がついている必要があるため、自己署名のサーバ証明書が使用されています。その幾つかは、fingerprintが別経路により信頼されているため、自己署名が必要ではありません。

不必要な自己署名がついていると、その分データ量も増えるほか(耐量子暗号であればなおさら)、X.509が指定している用途外に使うのにCA ビットなどを使われたりとリスクとなります。

そこで、『Unsigned X.509 Certificates』ではX.509で署名を不要にする提案をしています。

署名されていない証明書の作成

具体的な証明書は下記のように指定します

  • signatureAlgorithmフィールドにid-alg-noSignatureを指定する
  • TBSCertificateのsignatureフィールドにid-alg-noSignatureを指定する
  • signatureValueに長さ0にする