TLS 1.2への新機能追加を停止する議論

IETFに『TLS 1.2 is in Feature Freeze』という提案が出されています。

これは、標準化作業上、TLS1.2に新しい機能追加を停止しようという提案です(ただしセキュリティ対応は除く)。TLS1.2やTLS1.3にはエクステンションや、新しい暗号アルゴリズム、Supported Groupsなどを追加できるようになっていますが、それらの追加をTLS1.2では承認しないという話しです。

アプリケーションプロトコルがTLS1.2を利用することを禁止するものではありません。

議論

2023年 3月に行われた IETF 116 TLS WGのミーティングで『TLS 1.2 Deprecation (PDF)』という話しがありました。そこでは、標準化上 TLS 1.2をDeprecation する議論が行われました。

議論は、標準化上の話しと実利用の話しが色々議論されましたが、ブラウザベンダーからはTLS1.2が実際にはまだ利用されているなどのフィードバックが行われました。

その後、標準化の観点にしぼりTLS1.2への新機能停止の提案が2023年5月に提出されています。

TLS 1.2 is in Feature Freeze

TLS 1.2 is in Feature Freeze』では先述の通り、今後TLS1.2へ新しい機能の追加を承認しないという提案です。

  • RFC8447で登録されているTLSパラメータについて、今後追加するものはTLS1.3を対象とする
    • ただし、TLS Exporter LabelsとALPNの識別子はTLS1.2でも使える
  • DTLS1.2は対象外とする

New Protocols Must Require TLS 1.3

また、あわせて「New Protocols Must Require TLS 1.3」という提案も行われています。

これは、新しいアプリケーションプロトコルはTLS1.3をサポートするよう要求する提案です。もちろん、TLS1.2の利用を禁止するものではありません。

今後

引き続き、提出された提案をもとに議論が続けられます。来月行われるIETF118のミーティング改めてWGの意見が集められるものと思います。