今年もたくさんの方に記事をお読みいただきまして、ありがたい限りです。
covit-19が世間を騒がしてます通り、公私ともに多くの混乱がありましたが無事年末を迎えることが出来ました。やはり、反省としてはアウトプットの質が下がったなと感じています。来年は、アウトプットをもっと出していきたいなと思います。
今回の振り返りは、例年恒例の個人活動の振り返りに加えて、IETF 標準化界隈についても触れておこうかと思います。
IETF界隈
今年はIETFの本会合は例年と同じく3回開催されましたが、いづれもオンライン開催でした
特にIETF107は3月に開催されましたが、急遽リモートオンリーになりました。そのため、いつもとは異なり初開催のWGやBoFのみの開催となりました。
その後も様々なフィードバックを踏まえ、IETF108, IETF109とリモートのみの開催になっています。遠隔での会議を円滑にすすめるため、ツール類 (humのとり方)なども改善されてきています。
IETF本会合では、実装を持ち寄ってハッカソンを行っていましたが、リモートオンリーになってもWGによってはハッカソンを行っているようです。やはり遠隔でのハッカソンはいつもに比べ難しいようです。その他、有志によって開催されるサイドミーティングも行われていましたが、その数は少なくなっています。
また、新しく出されたdraft (00)の去年比のグラフが共有されています。見ての通り、draft-00のドラフトは去年よりも少なくなっています。様々な要因があると思いますが、やはりオフラインのミーティングがないと、そこで生まれていたものが減ってしまうのかなと思います。
とはいえ、このような状況下で国内外で標準化活動が継続して行われていること自体は、多くの方の努力のたまものだと思います。本当に素晴らしいことだと思います。
asnokaze
今年も計47記事、たくさん記事を書くことが出来ました。
先に述べたとおり、公私ともに混乱の多い年であり、今年はちょっと質が下がったなと言う気がしています。
カテゴリの累計としては下記のとおりです。"雑"カテゴリが多めですねorz
- TLS1.3 0-RTTにおけるHTTP/2 SETTINGSを改善する提案仕様
- NTPサーバの奇妙な振る舞いとNTPv5の標準化
- URLリソースの非推奨を示すDeprecationヘッダ
- TCPとTLSを連携させるTCPLS
- GoogleのPrivate prefetch proxyに関するメモ
- Cookieの新しい属性、SameParty属性について
- RFC8879 TLS Certificate Compression について
- Prometheusが利用するOpenMetricsの仕様がIETFに提出された
- CDNのキャッシュを制御する CDN-Cache-Control ヘッダ
- POSTリクエストを冪等処理可能にするIdempotency-Keyヘッダの提案仕様
- ホスト名の異なるTLS session resumptionについて
- NTPの次期バージョンv5の標準化が始まる
- ChromeのHTTP/2サーバプッシュサポート廃止検討と、103 Early Hintsについて
- NAT Slipstreaming攻撃とブラウザ側の対策
- 「RFC7525: TLSを安全に使うための推奨事項」の改定
- QUICのMultipath拡張に関するメモ
- Permissions PolicyとDocument Policyについて
- ChromeのSecure context restriction for external requests
- Linux 5.6 から Multipath TCPが使える
- WiresharkがHTTP/3に対応した
- DNSのエラー理由を通知するExtended DNS Errorsの仕様
- HTTP/2の仕様、改定作業が始まる
- 認証付き暗号の鍵利用上限について
- ブラウザからTCP, UDPソケットを操作するDirect Sockets API
- HTTP Client Hint Reliabilityの提案仕様
- HTTPSの接続情報を通知する "HTTPS DNSレコード" の提案仕様
- QUIC for SSH の提案仕様が出たよ
- HTTPと硬直化 (ossification) の問題
- TLSハンドシェイク中にアプリケーション設定を送信可能にする提案仕様 (TLS ALPS)
- CookieのSameSite属性にFirstPartyLaxを追加する提案仕様
- NginxのHTTP/3を試す (2020年6月)
- HTTP/3の解説を書いた (2020/06/01)
- CONNECT-UDP HTTPメソッドの仕様
- サポートしてないwell-known URIs に対するステータスコードを確認する提案仕様
- Compact TLS 1.3の提案仕様
- Cookieのセキュリティを改善する Scheming Cookiesについて
- 時刻同期プロトコル Roughtime の標準化
- TLS Encrypted Client Hello の暗号化(ECH)に関するメモ
- 「Advisory Content-Length for HTTP」と自転車置場の話し
- WebTransport over HTTP/2 の仕様について
- UUID version 6の提案仕様
- Retry-Afterのスコープを指定するRetry-Scopeヘッダ
- RFC8701 TLS GREASEで予約される値
- オリジン全体にポリシーを適応するOrigin PolicyをChromeで試す
- WebTransport over QUICのサンプルサーバを試してみる
- ダウンロードもMixed Contentsの対象となる話し
- HTTPメッセージに署名をするSignatureヘッダの標準化