OpenMetricsという提案仕様が、11月25日にIETFに提出されました。仕様は「OpenMetrics, a cloud-native, highly scalable metrics protocol」こちらから閲覧できます。
これはIETFでの標準化の一歩目であり最終的にRFCとなるかはまだまだわかりません。
ただ標準化の観点で興味深いと思っています。ですので今回は、仕様の中身には触れずラフに書いていこうかと思います。
はじめに
自分自身は、監視やモニタリングについて専門ではないものの、多くのインフラ/クラウド環境のモニタリングでPrometheusが使用されているのは知っています。
そのPrometheusが使っている、メトリクス収集のプロトコル/フォーマットであるOpenMetricsがIETFに持ち込まれたという点は、標準化側の視点で興味深く見ております。
もちろん、SPDYやQUICといったように特定企業が開発/試験を行った後にIETFに持ち込まれ標準化されると言ったことは普通にあることです。IETFが掲げる「We believe in rough consensus and running code」という考え方と照らし合わせても、実際に動いて使われているものがあるというは大事です。
一方で、rough consensus として、これがIETFで取り組むべきであるか?などWGでコンセンサスが得られる必要があります。まずは、IETFという場でどれほど興味を持ってもらえるかという点も気になるところです。
著者はもともと今年3月に行われる予定だったIETF107でその議論を行うつもりがあったようですが、タイミング的にも叶わなかったようです。
投稿者のことば
提案仕様の第一著者であるGrafana LabsのRichard Hartmann氏は、OPSA ワーキンググループに下記のメールを投稿しています。
「[https://mailarchive.ietf.org/arch/msg/opsawg/KpIY3phzcBzPnypy55uwnCoLkBU/:title=[OPSAWG] Introducing draft-richih-opsawg-openmetrics]」
このメールではOpenMetricsが2014年ごろから、多くのベンダー, プロジェクトで広く使われていることを説明しています。
さらに、Open Standardsを強く信じており、IETFが標準化するのに最も適切な場所だとも述べています。
いくつかの資料も合わせて読むと、彼らが当初からIETFでの標準化を望んでいたこともうかがい知ることができます。
しかし今のところこのメールに対するコメントはまだついてないようです。